9月9日、福井市で開かれている日本学生陸上競技対校選手権の男子100メートル決勝で、東洋大学の桐生祥秀選手が9秒98で優勝しました。
男子100メートルで9秒台の公式記録は追い風判定ありの記録以来2度目の快挙です。
参考:陸上の多田修平選手の400メートルリレー決勝欠場 一体なぜ?
【動画】男子100メートル桐生祥秀9秒98
ボルトの引退以降、男子の100mがどうなってしまうのかと心配していましたが、この記録をみると必要のないことのように思えます。
9月9日、東洋大学4年生で21歳の桐生選手は、福井市で行われた日本学生対校選手権の男子100メートルの決勝に出場しました。
桐生選手は、好スタートを切ったあと、中盤から終盤にかけて、ウサイン・ボルトのような伸びのある走りを見せ、1.8メートルの追い風が吹く条件の中、9秒98の日本新記録をマークしました。
桐生選手は、力強く大きなストライドとスタートから中盤にかけての爆発的な加速力が持ち味で、高校3年生の4月に広島市で開かれた大会で日本記録に100分の1秒と迫る歴代2位の10秒01をマークして、一躍脚光を浴び、去年6月の大会で、3年ぶりに自己ベストに並ぶ10秒01を再びマークするなど、日本選手初の9秒台への期待が集まっていました。
桐生選手が9日にマークした日本新記録の9秒98は、オリンピックの決勝のレース結果に当てはめると6位の選手の9秒96に次いで7位に入ることになります。
まだ21歳、ここからの伸びを思うと楽しみな選手ですね。
桐生祥秀選手とは?
桐生祥秀選手は東洋大学の4年生、滋賀県出身の21歳です。
力強く大きなストライドとスタートから中盤にかけての爆発的な加速力が持ち味です。
大学に入学後、おととし3月にアメリカで開かれた大会で、追い風参考の記録ながら9秒87を出して、日本選手初の9秒台が一気に現実味を帯びました。
その後、右太ももの肉離れのケガを乗り越え、去年6月11日の大会で、3年ぶりに自己ベストに並ぶ10秒01を再びマークしています。
2016年8月には、リオデジャネイロオリンピック代表となり、男子100メートルは予選で敗退しましたが、400メートルリレーで、第3走者として抜群の走りを見せて、銀メダルに貢献しました。
今シーズンは6月の日本選手権で4位となり、世界選手権の個人種目の代表を逃しましたが、リレーのメンバーとして、銅メダル獲得に貢献しています。
日本陸上の未来を担うエースと言える選手です。
桐生祥秀選手が9秒台を出した要因には、オリンピック後に体をつくり直し、得意の中盤での爆発力を磨いたことがあげられます。
2016年8月のオリンピック後に早めにシーズンを終えて体を休めて、室伏広治さんに指導を仰ぎ、ウエイトトレーニングや体幹トレーニングを見直して体力の強化に努めました。
じっくりと体をつくり直したことで、脂肪の量はそのままで体重が2キロ増えて、得意の中盤での爆発力に磨きがかかり、中盤以降の走りにスピードが増しました。さらに苦手だったスタートの課題克服にも積極的に取り組んでいました。
背景にはそんな努力の歴史があってようやく成し遂げた快挙なのです。
この種目の世界記録は、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が2009年の世界選手権でマークした9秒58です。
普通に過ごしていたら意識することもないようなタイムの差ですが、男子100mの選手たちは人生をかけて0、01秒を速く走るために全力を尽くします。
そういった姿が、周囲の人々の心を熱くさせ、会場はもちろんのこと世界を盛り上げていくのだなと改めて感じるニュースです。
桐生祥秀9秒98達成にネットの声は?
桐生祥秀ついに9秒台入ったよ…すごい…
— オサリー・いっさ (@oxaxuge) 2017年9月9日
9秒台すげぇ。次元が違う
— 中本魚拓 (@gyotaku_fish) 2017年9月9日
桐生祥秀選手が9秒台でましたね。 これまでの日本記録は実は私の中学の先輩である伊東浩司さんの10秒00でした。いや、東京オリンピックが楽しみです。
— しおた和久 新座市@日本維新の会 埼玉 (@shiota_kazuhisa) 2017年9月9日
ワイも夜は9秒台やで。
— イニエスタbot (@haegiwayabatan) 2017年9月9日
俺らが練習してたあいだにすごいことが…
桐生さん本当に9秒台おめでとう!!!!— 田村 優樹 (@yuki_sprint217) 2017年9月9日
頑張ってきたことの成果がでる瞬間ってとても感動的ですよね。
どんな努力を積み重ねてきたのか、その背景を知るとさらに感動は強まります。
今日の記録を通過点として、いつの日か桐生祥秀選手がオリンピックで金メダルを獲得する日が楽しみですね。