恐い!と感じるとき人の脳内では何が起こっているのか?~恐怖感情の脳科学~

恐怖の力は絶大でアドルフ・ヒトラーやヨシフ・スターリンなど歴史的な支配者も好んで使ってきました。

私たちが行動を起こすときは大きく分けて2つの行動原理が働いています。

1つめは、趣味などのやりたいと思うことのために行動する「快情動行動」

2つめは、労働などのやらなければならないと思って行動する「不快情動行動」です。

恐怖というのは不快情動行動にあたります。

一つ気を付けたいのが「もっとお金が欲しいから働く」という行動はいかにも快情動行動に見えますが、その裏には「お金がなくなると恐い」といった感情があることが多いので、自分の情動を見極めるときも注意が必要です。

収入が減るのが恐いから、もっと働かなければならない。

老いが恐いから、サプリメントが欲しい。

事故が恐いから、保険に入らなければならない。

など、さまざまな恐怖を使って消費者を怖がらせることで、商品を売るという手法は身近なところに溢れています。

恐怖のメカニズムを知ることで、恐怖という感情から解放され、他人から支配されない脳を作っていきましょう!

恐怖の定義

私たちの感じる恐怖はどのようにしてもたらされているのでしょうか?

怪談を聞いた時、怖い映画を見た時、災害が起きた時など様々ですが、今回のお話をしていく上で最初に恐怖の定義しておきたいと思います。

恐怖とは?

自分の力を超えたものによって物理的、精神的に脅かされたり、危害を加えられたりするのを恐れること。

「血の気がひく」「動悸が激しくなる」「震える」「冷や汗が出る」といった身体反応を伴う事が多いです。

恐怖のメカニズム

恐怖は危機を回避するために重要な役割を果たしており、動物は火や水に恐怖を感じるように遺伝子レベルでプログラミングされています。

これはやけどをしたり、溺れたりするのをあらかじめ防ぐためです。

怒りや悲しみの感情と違って、「原因となる出来事を前頭前野が評価する」というプロセスが入らないことが多いのが恐怖の特徴です。

ファイト・オア・フライト

危険が現れたときファイト・オア・フライト(戦うか逃げるか)を私たちは瞬時に判断しなければならない局面があります。

例えば、山道でイノシシに遭遇したとき、瞬時に戦うか逃げるかを決めなくてはなりません。

イノシシがこちらに突進してきている最中、「恐らくイノシシの速度は時速~㎞だから・・・」などと倫理的に考えていては撥ねられてしまいます。

なので私たちの脳はイノシシを認識すると一気に大脳辺縁系を活性化させ、倫理的な思考を司る前頭前野の働きを抑えることでIQを低下させます。

そして直感的な判断が得意な大脳辺縁系が即座に判断を下すのです。

「戦って捕まえたい」と判断すれば、脳内にドーパミンやノルアドレナリンが分泌され、戦う姿勢が瞬時に整えられます。「逃げたい」と判断すれば逃げる姿勢が瞬時に整えられるのです。

恐怖を克服する方法

私たち現代人は突然捕食者に襲われることなどはなくなってきました。

人類は、知識と倫理によって、遺伝子に書き込まれた恐怖情報に頼らなくても、様々な危険を回避できるようになったからです。

恐怖に支配されないためには、恐怖と向き合い、どうして怖いと感じるのかを考えなくてはなりません。

最後に恐怖と対峙したときの対象法を2つご紹介します。

1「感じて当然の恐怖」か、「感じても意味がない恐怖か」を見極める必要があります。

暴漢に襲われる、災害にあうなど、身の危険に直面した恐怖は「感じて当然の恐怖」です。

「会社を辞めたら食べていけなくなる」という恐怖は、人類の扁桃体に狩猟などのモチベーションを上げるべく、飢餓の恐怖が刻み込まれているかもしれません。

しかし、現代の日本では会社を辞めてもすぐに「食えなくなる」わけではないので、そんな恐怖を感じる必要は無いのです。

2パニックを最低限に抑える

恐怖を感じると脳の島皮質、視床、扁桃体など大脳辺縁系が活性化し、前頭前野の働きが抑えられます。

するとIQが下がって冷静な判断ができなくなり、身体にも「息が上がる」「震える」など様々な反応が現れます。

このパニックを防ぐためには自分の状態をモニタリングすることです。恐怖を感じるような出来事が起こったら、心臓の鼓動や呼吸の状態などに意識を向けることで、前頭前野を働かせていきます。

意識して思考を働せることで状況も見えてきますし、IQを取り戻すことができるので、適切な判断を下しやすくなるのです。

あなたがピンチの時などは恐怖に支配されず、本来の力を持って問題解決ができるよう、今回の記事を役に立てて下されば幸いです。

またお会いしましょう、それでは~

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