漠然とした不安の正体と解消法~不安感情の脳科学~

漠然とした不安の正体を突き止めるだけでも心を軽くすることができます。

あなたはどんな時に不安を感じますか?

日本は経済的にとても豊かな国ですが、幸福度は非常に低いというのは有名な話ですね。

その要因として、私たちが抱えている不安という感情は切っても切れない関係にあるでしょう。

今回はそんな不安について一つずつ紐解いていきます。

不安の定義

あなたにこれからお話する「不安」という感情について、まず始めに定義してから論を進めたいと思います。

不安とは

自分や自分の大切にしているものが何かに脅かされていると感じたり、「何か良くないことが起きるのではないか」と感じたりして、心が落ち着かない状態にある。

「胸が苦しくなる」「表情がこわばる」といった身体的反応を伴うことが多い。

不安の正体

私たちが不安を抱くのは「将来なにか恐ろしいことが起こるかもしれない」と未来のことを予測したときです。

悲しみや怒りは過去に起こった出来事から生まれますが、不安は私たちが「想像した未来」から生じるのです。

恐怖は何らかの脅威が間近に迫ったときに起こりますが、不安というのは最低でも数時間、長いものでは数年先の脅威に対して感じる感情です。

つまり、不安というのは、時間と空間を超えた推論や予測をした結果生まれるものであり、それは前頭前野が発達した人間だからこそ思えることなのです。

犬や猫などの動物は遠い先の未来を考えることができません。

未来のことを考えて本気で不安になれるのは私たち人間だけです。

不安になるには、さまざまな因果関係のパターンを前頭前野にあるブリーフシステムを用いて認識する必要があります。

外から入ってきた情報を今までの経験や知識を使って評価し、「この情報が入ってきたということは、将来の自分に恐ろしいことが起きる可能性がある」という推測が導き出されると、脳は不安を感じるようになるのです。

ブリーフシステム

私たちの世界観は側頭葉にある記憶と前頭前野にあるブリーフシステム(認識パターン)の組合せにより生まれています。

ブリーフシステムとは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」など、個々が信じて疑わない固定的な思考、すなわち信念のことで、あらゆる事象の判断基準となります。

「世界平和を実現したい」」「弱いものは守らねばならない」という社会的に良しとされる思考だけでなく「あいつは肌の色が自分達と違うから差別されるべきだ」「この世は金が全てだ」といった差別的、自己中心的な思想も信念です。

こういった信念は自我を作る際のパーツとなり、自分の世界を形作る内部表現とも言えます。

不安の解消法

不安には感じてもいい不安と、感じる必要のない不安があります。

「老い」や「死」に対する不安は感じてもいい不安です。

これは人間の力でコントロールすることはできず、生きている限り生じるものです。

しかし、この不安があるからこそ、人は自分の人生と向き合って思考を深める事ができるのもまた事実です。

ですから、老いや死などへの不安は無理になくそうとせず、自分が抱いている不安を認めて、その感情を楽しんでしまえばよいと考えます。

最後に、感じる必要のない不安の解消法を3つご紹介します。

1.リスクを細かく把握する。

「なにかトラブルが起きたらどうしよう」「納期に間に合わなければどうしよう」など、仕事上での不安は感じる必要のない不安です。

こうした不安は、未来を正確に予想できなかったり、想定した未来を避けるための対処がきちんとできていないために起こります。

不安に思っているだけでは事態は変わらないので、将来起こりうるリスクをしっかり把握し適切に対処しましょう。

そうすることで、漠然とした不安を感じることは少なくなります。

2.ブリーフシステムを変える

例えば、会社を辞めてミュージシャンになろうとしたとき、上司や家族などに「ミュージシャンは食べていけないからよした方が良い」などと言われたら不安になるでしょう。

「ミュージシャン=食べていけない」と思えば思うほど諦める理由は見つかります。

しかし、実際にミュージシャンで生計を立てている人はたくさんいます。

なので「ミュージシャン=食べていけない」というブリーフシステムを変えるべく、「ミュージシャンは本当に食べていけないのか?食べていくにはどうしたらいいか?」など、前頭前野を働かせて徹底的にに考えるのです。

このようにしてブリーフシステムを変えれば「ミュージシャン=食べていけない」といった不安も生じなくなります。

3.前頭前野を活性化させる第三者視点

強い不安や恐怖は大脳辺縁系を活性化させ、前頭前野の働きを抑えるため、冷静な判断を下すことが難しくなります。

こうなってしまったときは、利害関係のない第三者にアドバイスを求めるのも手でしょう。

身内など親身になってしまいすぎる相手は、一緒になって不安になってしまうので避けた方が良いでしょう。

あくまで感情移入しすぎない、冷静な判断を期待できる相手が好ましいです。

おわりに

不安に対して理解を深め、解決していくことで、あなたやあなたの周りの方々の心を少しでも明るくできたら幸いです。

またお会いしましょう、それでは~

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