認知症の人でも社会で生き生き活躍できる世界にまた1歩近づきました。
出典http://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/ocha/1227090171651.html
「宇治茶」で知られる全国有数の茶どころ・京都府宇治市で、認知症の人が茶葉の摘み手として働く試みが進められています。
なぜこのような試みが生まれたの?
新茶の季節は収穫に伴いたくさんの人手が必要になります。
近年、機械による収穫を行う農家さんもありますが、やはり人の手で新芽を丁寧に摘むことが美味しさに繋がるのです。
抹茶の原料となる高級茶葉を栽培する茶園では、少子高齢化で担い手が減少。
一方、認知症の人にとっては働き場所の確保が大きな課題。
そこで市は2015年から、当事者や家族と茶園の間を仲介し、新茶の季節に認知症の人がボランティアとともに摘み手として働く取り組みを始めました。
「がっぽり稼ぐぞ! エイエイオー!」
今年5月にもこの試みはスタートされていて、宇治市内の茶園でアルツハイマー型認知症の伊藤俊彦さん(73)が音頭を取り、認知症の当事者10人と家族、ボランティア計56人が声を上げました。
参加して3年目の方もいらっしゃり「柔らかいところだけ取るのよ」と言い、慣れた様子で手つきも細やかだそうです。
中には集中力が途切れ、いったん作業から離れて気持ちを落ち着かせる人もいます。
約1時間半で計15キロを収穫し、茶園の青山信次さん(58)は「きれいに摘み取ってくれた」と褒めていることをみると、農園の雰囲気もとても良さそうです。
ボランティア活動
ボランティアとして参加した京都文教大3年、蔵本美空さん(20)は、幼い頃から茶摘みの経験がある当事者の久保田孝子さん(81)に手ほどきを受けて作業しました。
若い世代や高齢者、認知症の方など様々な人々との交流がそこにはあり、学びや発見、新たな出会いを通して充実した時間が過ごせた模様。
蔵本美空さん「認知症の人との交流は初めてで会話ができるか心配だったが、久保田さんが優しく教えてくれた」と笑顔を見せました。
今年の収穫
出典https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_1128/
今年は市内の2茶園で3回にわたって茶を摘み、計62キロを収穫。
作業1回あたり1000~2000円前後の報酬が当事者に渡されます。
市は本格的な就労支援に向けて協力農家を増やし、お茶の収穫だけでなく通年の仕事も探し、安定的な雇用を目指しています。
現在は参加者の多くが65歳以上だが、若年性認知症のために離職せざるを得なくなった人たちも積極的な受け入れを目指します。
今後の展望
取り組みを主催する市認知症アクションアライアンス事務局の川北雄一郎さんは「事業を拡大し、適切な支援があれば認知症になってもいきいきと働けることを示したい」と話しています。
「認知症の人が尊重され、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続ける社会」という理念を掲げ、話題となった「認知症カフェ」のように、もっと世間へ認知症に対する理解を深めると同時に、就労し活躍できる社会を作っていくことで幸福で少子高齢社会を築く国となれるのではないだろうかと考えます。
先進国の中でも少子高齢化が進む日本だからこそ今後の高齢化社会のあり方見せ、世界を牽引していきましょう!
それでは~