「都会の喧騒を離れて大自然を満喫だ!空気も美味しいし、野生動物も見ることができた、たまには山登りも楽しいな~」
なんて言いながらこの夏を謳歌しようとしているあなたに一つ伝えておかなければならないことがあります。
誰だって、山で葉っぱにかすっただけなのに、死にたくないですよね?
マダニによる感染症の死亡例
広島県三原市の90代の女性が、マダニが原因みられる感染症で死亡しました。広島県内では今年になって初めてです。
死亡が確認されたのは、三原市内に住む90代の女性で、マダニにかまれたことが原因とみられています。
女性は18日、意識障害を起こし、病院に緊急搬送されました。
検査の結果、主にマダニが媒介する「SFTS」というウイルスが確認されました。
とても悲しいニュースですが、残された私たちにできることは、同じ被害者を少しでも減らすこと。
広島県は感染源のマダニは春から秋にかけて活動が盛んになるとして、屋外で作業する時は肌の露出を少なくするよう呼び掛けています。
あなたがもしこれからの季節に「自然と触れ合う」系のレジャーへの参加予定しているのなら、これから解説する対策についてもしっかりと目を通して、もしもの時も冷静に対処できるようにしておきましょう。
マダニとは?
マダニは、クモ綱ダニ目マダニ亜目マダニ科の節足動物の総称です。
ハウスダストに含まれるダニなんかよりずっと大きくて生態も異なる、どちらかと言えば蜘蛛に近い生き物です。
主な住処は山の中の茂みや草むらで、じっと寄生する動物を待っています。
出典 鵬図商事
体長は2mm~3mm程度ほどで、肉眼ではっきりと見えます。
米粒の横幅と同じくらいと思って頂くと想像しやすいでしょうか?
しかしこの大きさはまだ序の口で、驚くのは吸血後の大きさです。
宿主の血をお腹いっぱい吸ってぷくぷくと膨らみ、血の風船と化します。
その体重は100倍以上に増量。
吸血後の全長は1cmを超えるぐらい大きくなります。
【閲覧注意】マダニの吸血比較画像
出典 よぴとれ
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?
SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症です。
要約すると「ダニから人にうつるウイルス」です。
症状として
SFTSウイルス(SFTSV)に感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こします。
今回の90代女性はこの症状のうつ「意識障害」に陥っていたそうですね。
致死率に関しては6.3〜30%と幅は大きいものの報告が成されています。
感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)を介したものが中心です。
治療は対症的な方法しかなく、根本を叩くような有効な薬剤やワクチンは現在ありません。
薬剤やワクチンが無いとなると、有効な手段の第1位は予防することでしょう。
マダニに刺されないように1歩1歩確かめながら歩くという予防法もありますが、それでは疲れて倒れてしまいますよね?
安心して下さい、もちろん、あなたにもすぐに実践できる簡単な予防法についてもしっかりと調べてありますとも。
マダニの予防法について
マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を予防するためには、マダニに咬まれないようにすることが重要です。(当たり前か)
特に、春から秋はマダニの活動が盛んなので、農作業やレジャーなど森林や草むらや藪などにに入る場合には十分注意しましょう。
具体的な5つの予防法
1.草木にむやみに接触しない
マダニの寄生は基本的に草木を介するものです。
20cm以上の草であればマダニがいる可能性は十分にあります。
そして特に注意なのは「笹」マダニは別称「笹ダニ」と呼ばれるくらい笹ラブですのでご注意ください。
2.動物が通る道には特に注意する
マダニは宿主から吸血し終わって外れた後、ほとんど移動をしません。
つまり日常的に動物が通る道は、マダニが再び待ち構えている可能性が高い場所だと言えます。
3.森林や草むら,藪など,マダニが多く生息する場所に入る場合には,肌の露出を少なくする
長袖・長ズボンを着用し、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるましょう。
足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)を履きましょう 。
4.虫除けスプレーを使用する
主に蚊を寄せないために使用されることが多い虫除けスプレーですが、
これに含まれるDEET(ディート)という成分はマダニの忌避剤になることがわかっています。
虫除けスプレーの効果は大体2時間程度が限界と言われているので、定期的に全身に吹きかけてマダニを寄せ付けないようにしましょう。
5.帰宅後は全身をチェック
マダニに刺されても、その唾液に含まれる成分の麻酔効果により自覚がないことがほとんどです。
念には念を入れて、マダニが生息していそうな場所から戻った後は全身を軽くチェックしておきましょう。
発見が早ければ感染症によるリスクを減らすことにもつながります。
夏は薄着でのお出かけも増えますが、マダニの生息地へ赴く際はこの記事を思い出して、身の危険を回避しましょう。
あなたに素敵な夏が訪れますように。
またお会いしましょう、それでは~