海の無い県である埼玉県が寿司で賑わうのは不思議な図式ですね。
ただ海の幸が無いことを嘆くだけではこの盛り上がりが起きる事も無かったでしょう。
内陸県の埼玉ならではの寿司。
逆転の発想から生まれた「野菜すし」は今、大きな注目を集めています。
埼玉の野菜すしとは?
バルサミコ酢で仕上げたパプリカのにぎり?
ズッキーニをのりに見立てたトマトの軍艦巻き?
あなたはこの奇想天外な寿司に「おいおい魚が1gも使われていないじゃないか」と思うかもしれなません。
それもそのはず、県産野菜を使った「野菜すし」は全国でも初めての試みとして話題なくらいですから。
考案・開発した県鮨商生活衛生同業組合(鮨商組合)に加盟する約30店舗で5月から提供が始まり、調理法をまとめたレシピ本「埼玉の野菜すし」にも問い合わせが殺到。
きっかけをつくった、寿司割烹「山水」(さいたま市北区)の店主で、同組合新理事長の関根利明さん(60)は「提供できる店を80店舗まで増やしたい。埼玉の名物にしたい」と意気込みを語っています。
出典 https://gyazo.com/d6c0f9565c6b3c7e7e5ae75913245945
野菜すしの誕生秘話
大手チェーン店の回転ずしが増加する一方、一般すし店は経営難や後継者問題などで衰退の一途をたどっているとのことでした。
埼玉県のすし業界も新たな一手を打ち出せないでいましたが、4年前に転機が訪れます。
「山水」の店主、関根さんの元に世界中の職人が技を競う「ワールド・スシ・カップ・ジャパン」(農林水産省主催)でのデモンストレーションの依頼が舞い込みました。
関根さんは「すしは江戸前だけじゃない。埼玉には海がないが、野菜は豊富にある」と言い放ち発想の鱗片を見せます。
勉強会発足
そこで関根店主は組合の中に勉強会を発足しましたが、すぐに資金難に陥り、全国すし商生活衛生同業組合連合会(全国すし連)に開発事業の助成金を申請した。
「許可は下りたけど、みんな『野菜でできるの?』って半信半疑でね」と関根さん。
他人の発送を超えている何よりの証拠にすら思えますね。
しかし、壁は身内にもあったといいます。
当初は「野菜すし」に無関心な組合員が多かったといい、野菜すしはすぐには受け入れられなかったようです。
関根さんいわく「職人って新しいことを取り入れる感覚が薄い」とのこと。
実際、変化を歓迎しないすし業界に、風穴を開けるのは簡単ではなかったのだそうです。
それでも、地道に勉強会を重ね、野菜ソムリエなど専門家も招き、県産の野菜やさいたま市産のヨーロッパ野菜に合う味付けと調理法を研究。
バルサミコ酢やワインなど、既成の枠にとらわれない材料や調味料も取り入れました。
勉強会では、発酵食品を使った「酵素すし」のアイデアなども生まれています。
女性や外国人に喜ばれる野菜すし
出典 軍事動画.com
「女性客の健康志向にマッチするよう工夫したのもよかった」と関根さん。
狙いは的中し、野菜すしを注文するお客さんの9割は女性なのだそう。
構想として、2020年の東京五輪・パラリンピックも視野にあり、「ベジタリアンが多い外国人にも需要がある」と期待を寄せています。
米と野菜でどこまで美味しくできるのか?関根さんの研究は続きます。
県外からも話題で「野菜すし」の本も出版!
県外の同業者の間でも話題で、新潟や長崎、神奈川など全国からレシピ本の注文が相次ぐ人気ぶり。
全国すし連の若竹敦史事務局長は「本部にも問い合わせが来ている。これまで野菜の漬物を使ったすしはあったが、野菜のすしは全国でも初めてではないか」と江戸前寿司ならぬ“埼玉前ずし”の反響に驚いています。
現在の野菜すしの種類は40種類ほどですが、関根店主は「種類をもっと増やしたい。人気が出て終わりじゃなく、浸透させてこそ意味がある。まだまだこれから」と語り、海なし県、埼玉からのろしをあげました。
野菜すしの登場にネットの声は?
出典 ハフィントンポスト
「これはヘルシー」
「うまそうだ。」
「これはベジタリアンが多い国で受けるかな。」
「ほんとうに野菜なの!?」
「茄子とか茗荷とか芽ネギのお寿司好きだから野菜寿司すごく気になる」
「いゃぁこれは食べてみたいなぁ… と同時に、寿司そのものの少し横にブレた切り口や発想が面白い。」
「これ大変気になる!生もの食べられないので毎度お祝いごとなど寿司がベタの状況で大層肩身が狭かった…!もしこれが一般的になったら私もみんなと一緒にお寿司食べられるよ…!」「ベジタリアンでも食べられる野菜寿司!!ベジだけどお寿司食べてみたい外国人旅行者にも勧められるし、素晴らしいアイディア。」
職人の多いすし業界では、最初は奇妙がられてなかなか受け入れてもらえなかった「野菜すし」ですが、ひとたびネットの声を聞いてみると盛大なる歓迎ムードに驚きです。
健康志向が強まるなかで、今まさに野菜が注目をあびています。
世間のニーズにも合いますし、これからの躍進が楽しみですね!
またお会いしましょう、それでは~